根管治療とは?
- 歯の根元には神経などが詰まっている管があり、これを根管といいます。
- 虫歯が進行すると根管にまで虫歯菌が侵入し、そのまま放置すると歯が抜けてしまいます。
- こうした虫歯に感染してしまった歯の神経や根管内の細菌を除去して、虫歯の進行を防ぐのが根管治療です。
根管治療の進め方
根管治療はどの歯の根で感染が進行しているのかを確認し、その歯が根管治療によってよくなるのかどうかを見極めることが非常に重要です。
根管治療は歯の神経を取り除くので、歯へのダメージは避けられません。
歯の神経や細菌を除去し、天然の歯を残すために私たちは最大限の努力をしています。
私たちが根管治療に自信を持つ理由
根管治療の成否は歯科医のスキルと設備にかかっています。
私たちは設備の充実とスキルの向上に常に取り組んでいます。
マイクロスコープを使った治療
根管治療は小さな歯、そしてその中に通っているさらに小さな歯の神経、血管などを扱う細かなミクロの世界での治療です。しかも、根管は人によって形が違い、湾曲していたり複雑に枝分かれしていたりします。
また、大臼歯など大きな歯では根管は3本、4本と複数あり、そのすべてに完璧な治療を施さなくてはなりません。根管内に神経組織や細菌が残ってしまうと、時間が経つにつれて細菌が増殖し、骨の中に膿が溜まって歯茎が腫れることがあります。
それだけ大変難易度の高い治療です。私たちは、より精密な治療をおこなうために、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を導入しています。
マイクロスコープを使うメリットは肉眼では見えない部分まで拡大して確認できるため、精密に患部の状態を確認し、歯質の除去を最小限にとどめることができることです。これによって、歯へのダメージも抑えることができます。
また、クラウンやブリッジなどをミクロ単位で調整しながら装着できるので、術後の感染や痛みなどのリスクを抑え、その後のトラブルも少なくなります。
また、歯周ポケットの測定や歯石の発見、歯周病治療などにも役立ちます。患者さまにパソコンモニターやテレビで口腔内の様子を確認してもらうことも可能です。
より精密で正確な治療が可能になったことで、これまで抜歯せざるを得なかったような進行した虫歯でも、治療できる望みが生まれます。ぜひ一度ご相談ください。
院長限定で高難度の根管治療も高精度で治療可能
根管治療は歯科治療の中でも難易度が高いのですが、これまでは歯科医師の経験や勘に頼っていた部分がありました。
ですから、根管治療での診断や治療精度を高めるためには、CTとマイクロスコープが欠かせません。
当院には他院で根管治療を受けたものの「痛みが引かない」「膿が出てきた」などの症状を訴え、セカンドオピニオンを求めて来院される患者さまもいらっしゃいます。そうした方々の中には、これらの機器を使った診断・治療を受けていないケースも見受けられます。
他の歯科医院で断られるような症例の方でも、当院の根管治療を受けて治癒された方はたくさんいらっしゃいます。
まずはお気軽にご相談ください。
根管治療の診断
根管治療をするかどうか判断するまでに、次のような手順を踏みます。
歯や神経が汚染されているか
マイクロスコープによる診断
根管治療によって状態が良くなるかの判断
触診で痛みを感じるか
複数根の根管治療が必要な場合は一本ずつ診断
できるだけ神経を残す
まず、私たちが考えるのは、できるだけ神経を残す方法です。
神経を残すことが可能であれば、歯髄温存療法や直接覆髄といった治療法を用い、歯の神経をできるだけ残します。
根管治療の流れ
歯髄温存療法で神経が残すのが難しい場合は、根管治療を行い菌に汚染された神経を取る処置を行います
1. 診断
マイクロスコープ、CTなどによる検査で歯の根の問題点を見つけます。
正しい診断が正しい治療に繋がりますので、精密な検査が求められます。
診断結果に基づいて患者さまの治療方法や治療計画が決まります。
2. 感染した神経を取り除く
虫歯菌などに感染してしまった歯の神経を取り除き、繁殖した細菌を殺菌します。このとき、歯を傷めないよう丁寧に処置を行うことが大切です。
特に歯の根に道具を入れる処置は慎重に行う必要があり、歯科医師のスキルが問われます。
3. 殺菌
感染している歯と根管内を掃除し、きれいに殺菌します。根管の洗浄も入念に行います。
4. 消毒薬を詰めて仮封
清掃と殺菌が終われば、歯の中に消毒薬を詰めて、新たな細菌に感染しないように仮封をします。2~3回の通院で②③④を繰り返し、根管内をできるだけきれいにしていきます。
5. 根管充填
しっかり殺菌ができたら、詰め物をして、神経をとってできてしまった隙間を埋めます。
6. 土台と被せ物
根管の隙間を埋めたら、被せ物を支える土台を作り、被せ物をします。被せ物と歯の隙間から細菌が絶対に侵入しないよう、ピッタリと合う被せものを作り、しっかりと装着することが大切です。
根管治療に必要な通院数は
根管治療に必要な通院回数は、症例によってことなります。
しかし、平均的に前歯で3回程度、奥歯で6回程度の通院は必要になります。
それに加えて、詰め物や被せものをするための通院も必要です。
どんな歯でも残すわけではない
ある患者さまに「どんな歯でも残す努力をするのがいい歯医者だと聞きました」と言われたことがあります。しかし、私たちはこれを絶対に間違いだと思います。
極端な話になりますが、「がんに侵されてしまった臓器でも残したほうがいい」と主張する医者がいたら、みなさんはどう感じますか。「そんなはずはない」と思うでしょう。歯も同じことです。
虫歯が進行し、歯としての機能が損なわれたうえに、他の歯にも影響を及ぼすようなら抜歯するしかありません。
抜歯してインプラント治療などをしたほうがいいのであれば、歯を抜くべき理由をしっかりと説明し、抜歯をすすめるのが正しい歯科医としての姿勢です。
根管治療といっても、万能な治療ではありません。
私たちも最大限の努力はしますが、どうしても歯を残せない場合は抜歯を選択します。
私たちが抜歯を選ぶのは、主に次のようなケースです。
根管治療を何度も行っている歯
歯根の先まで掃除ができない歯
歯茎の下にまで虫歯が及んでしまった歯
歯根の厚みが虫歯などによって薄くなった歯
歯根にヒビが入っている歯や割れている歯
歯周病の進行が深刻な歯
もちろん、状況によっては治療が可能な場合もありますから、しっかりと検査や診察をした判断し、患者さまとご相談させていただきます。
根管治療の目的
根管治療の目的は天然の歯を残すことです。天然の歯が残れば、何でもしっかりかめて楽しく食事ができるので健康寿命が伸びますし、思いっきり笑って人生を送ることができます。
歯を失っても、インプラント治療などで機能を取り戻すことも可能ですが、噛みやすさや噛み心地を考えると、とても天然の歯にはかないません。
それだけに、私たちはできるかぎり、天然の歯を残すことが大事だと考えるのです。もし根管治療をしても、しっかり噛むことが望めないのであれば、インプラント治療を検討する場合もあります。
食生活や見た目など幸せな人生を送るのに、歯の健康は欠かせません。幸せな人生を送るために、私たちは「しっかりと噛めること」をサポートしていきます。
根管治療などを行い、例え歯が残ったとしても歯に違和感を覚え、うまく噛めないのであれば、意味がありません。かみあわせにも悪影響をあたえ、逆効果になることさえあります。
そして、治療が終わったら私たち歯科医の仕事が終わるわけではありません。
患者さまがしっかりと噛めるようになるまで、全力でサポートします。
患者さまへお願い
根管治療は天然の歯を残すための最後の手段です。まずは、虫歯にならないようしっかりとケアすることが大切です。また、生活習慣も虫歯へ影響を与えますので、健康的な生活を送ることが重要です。
私たちは「歯の神経を取る」という治療をできるだけしたくありません。そのためには、患者さまの協力が欠かせません。
しっかりと毎日歯をケアし、異変を感じたらすぐに診察を受けてほしいのです。
生涯、自分の歯で楽しい食事ができるよう、毎日わずかな時間で構いませんので、歯のことを考えてください。