ホワイトニング(歯を白くする)~ whitening ~
ホワイトニングは、歯を削らずに白くする審美技術です。
記録によると、世界初の薬剤を用いた歯のホワイトニングは、1844年に行われたそうです。
と言っても、当時はそれほど効果が出なかったようなのですが……。
それから170年近い年月が経ち、薬剤や器具類はどんどん進化を遂げ、より安全でより効果的な方法が開発されてきました。
デュアルホワイトニングの方法と効果
歯を白くするホワイトニングには、歯科医院で受けるオフィスホワイトニングと歯科医の指導を受けながら自宅で行うホームホワイトニングがあります。その両方を併用して行うのがデュアルホワイトニングです。
私たちは、しっかりと歯を白くするため、患者さまにはデュアルホワイトニングをおすすめしています。デュアルホワイトニングは、2つの方法を併用するため、どちらか一方の方法で施術するよりも、さらに高いレベルまで歯を白くすることができます。
ホワイトニングの中でも、最も効果的に歯を白くできる方法といえます。そこで、デュアルホワイトニングの進め方と効果などについて詳しく解説します。
デュアルホワイトニングの特徴とは
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングのメリットとホームホワイトニングのメリットの両方を活用できる方法です。歯科医が施術するオフィスホワイトニングは、効き目の強い薬剤を使えるため即効性があります。
一方のホームホワイトニングは時間のかけてゆっくり歯を白くするので、色戻りしにくいという特徴があります。
ですから、その両方のメリットを掛け合わせたデュアルホワイトニングは早く歯を白くできるうえ、白さを長く維持していくことが期待できるのです。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの違いと特徴について説明しましょう。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングとは、歯科医院(オフィス)で行うホワイトニングという意味です。歯の表面にホワイトニング剤を塗布し、特殊なライトを照射して、歯を白くする方法です。
薬剤には過酸化水素を使いますが、この薬剤を使えるのは医師や歯科医師に限られています。
効き目には個人差がありますが、1回の施術の効果は高く、初めての施術で効果を実感できる方も多いようです。
ホームホワイトニング
歯科医の指導を受けながら、自宅(ホーム)でホワイトニングを行う方法です。歯科医院で自分専用のマウスピースを作製した後、自宅でホワイトニングジェルを入れたマウスピースを装着して、歯を白くしていきます。
ホワイトニングジェルは、一般的に過酸化尿素が使われます。過酸化尿素は過酸化水素水ほどの即効性はありませんが、酸化反応の過程で過酸化水素に変化して歯の表面を漂白してくれます。
過酸化尿素は、過酸化水素に比べて酸化反応がゆっくりですので、ホワイトニング効果が現れるのにも時間がかかります。基本的には毎日装着して、2週間程度続けます。
ホームホワイトニングは即効性がない分、時間をかけて白くしていくので、歯の内部にまで薬剤が浸透し、色戻りが少ないというメリットが期待できます。
デュアルホワイトニング
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングで歯を白くした後、ホームホワイトニングでアフターケアを行い、歯をより白くし、白さを定着させていく方法です。
費用について
デュアルホワイトニングは、2つの種類のホワイトニングを行うので、費用も高額になります。基本的には、両方の費用の合計と考えていいでしょう。ただし、効果の現れ方は施術方法によって異なり、費用だけでは施術方法を決められません。
デュアルホワイトニングに向いている人は?
歯をできるだけ白くしたい人
オフィスホワイトニングをすると、本来の歯よりも白くすることができますが、だからといって、どこまでも白くなるわけではありません。ある程度の白さに到達すると、繰り返し施術を行ってもそれ以上白くならなくなっていきます。
さらに白くしたい方は、自宅でもホームホワイトニングを行うことで、可能となる場合があります。ただし、体質など個人差がありますので、歯科医師に相談してみてください。
白さを長く維持したい
ホワイトニングをして歯を白くしても、時間が経つにつれ食べ物の色などが歯につき、しだいに白さが失われていきます。これを色戻りといいます。食生活や体質などによって異なりますが、ホームホワイトニングは、オフィスホワイトニングに比べ、色戻りが少ないとされます。
このため、ホームホワイトニングをオフィスホワイトニングと併用することで、白さを長く維持できます。また、ホームホワイトニングジェルがなくなれば、いつでも追加で購入できます。
色戻りが気になってきたら、しばらくホームホワイトニングを行うなど、自分でメンテナンスを行い白さを保つができます。
デュアルホワイトニングのデメリットとは
ホワイトニング中は飲食物に注意が必要
ホームホワイトニングを行っている間は、毎日マウスピースを付ける必要があります。このため、常に飲食物には気をつけなくてはなりません。また、オフィスホワイトニングの後も24時間、色の濃い飲食物を控える必要があります。
ホームホワイトニングの場合は1回あたりの効果がオフィスホワイトニングより小さいため、3、4時間飲食を控える程度で済みます。そのため、ホームホワイトニングを行うタイミングは夕食後や寝る前がいいでしょう。
そうすると、朝食まで時間があくので朝昼晩に自由に好きな飲食物をとっても、効果に影響はありません。ホワイトニングの効果に影響を与える飲食物には次のようなものがあります。飲食時には注意してください。
注意したい飲食物
- ポリフェノールを多く含む食べ物や飲み物
- 赤ワイン、大豆、ぶどう、ブルーベリー、チョコレートなど
- お茶やコーヒーなど色の付いた飲み物
- コーヒー、紅茶、ウーロン茶など
- 色の濃い食品
- カレー、醤油、ソース、ケチャップ、トマトなど
- 歯への着色を促してしまう食品( 着色補助食品)
- 炭酸飲料、アルコール、スポーツドリンク、柑橘類、酢、梅干しなど
費用が高額になる
デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを歯科医院と自宅の両方で行いますので、費用はどちらか一方を行う場合の2倍近くになってしまいます。
しかし、費用対効果という点で考えると、ホワイトニング効果が高く長持ちするので損はないとも考えられます。また、ホームホワイトニングは、最初に専用のマウスピースを作ってしまえば、ホワイトニングジェルを追加購入するだけで、継続的にメンテナンスを行うことができます。
ホワイトニングジェルだけならば、数千円で購入できます。
デュアルホワイトニングは、できる限り歯を白くしたい人や、白さを長く保ちたい人、テトラサイクリンという薬剤で歯が変色してしまった人に向いているホワイトニング方法です。
より歯を白くしたい、白さを長く定着させたいという方は、歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。